👗美学No.87《スーパーモデル》

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ファッションフォトグラファーの巨匠ピーター・リンドバーグ撮影のスーパーモデル達。この中の3人と仕事をした。

「スーパーモデル」という言葉は、1990年代に広く知られるようになった。ファッションモデルの中でも世界的な知名度があり、破格のギャランティーを誇る。私が初めて「モデル」の存在を認識したのは1971年。当時見ていたティーン雑誌に載っていたジェーン・フォースというアメリカ人モデル。アンディ・ウォーホルのファクトリーで受付嬢としてキャリアをスタート、『ライフ』の表紙を飾った。「能面モデル」と呼ばれた顔を強烈に覚えている。

ファッションブランドを設立し、友人のアートディレクターとフォトグラファーでイメージフォトを長きに渡って撮影、スーパーモデル達と出会った。その第一弾がデビュー間もないカースティン。アトリエに来た彼女は、チェックのネルシャツにボロボロなデニムにコンバース。ヒッピーな女の子という印象……が、カメラを向けると一変!!モードな風情に早変わり。

背が高く、首が長く、異次元のスタイルを持つエキゾチックな顔立ちのサシャとはフランスの古城で撮影。当時17歳で写真家サラ・ムーンのお気に入りだった。

マリーソフィーとはニースで撮影。カメラに映るのは、一瞬で物語を創れる女優の顔だった。

世界屈指のヘアアーティスト、ジュリアン・デイズとメイクにAYAKOが参加したパリでの撮影。モデルはグネヴィア。ジュリアンが部屋の扉を閉め、彼女の髪に石灰をかけてパサパサの髪質に変えたのにはビックリ!!

注目を浴びたばかりの赤毛のカレンとはニューヨークで撮影。翌年ファッションアワードのモデル・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

撮影した当時はキャリアのスタートだったモデル達が、皆、時代の顔となり、ハイブランドの広告を飾って名実共にスーパーモデルとなっていった。

そして、忘れてはならない日本のスーパーモデル山口小夜子。ファッションの仕事をリタイアし『夢の浮橋』という舞台でご一緒。彼女は人形の衣装、私は人間の衣装担当。夜遅くまでのリハーサルで皆がボロボロになっていく中、彼女だけは、あの美しい顔は崩れなかった。その仕事が終わってすぐ、別件で彼女と一緒の仕事でオファーを頂いたが、同時期に先約があり叶わなかった。もし、再び仕事をしていたら、もっとお話が出来たのになぁと残念だった。

世界に飛び出して撮影した写真は、スーパーモデル達とのクリエイションで私のファッション史に彩りを添えてくれた。

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