🎥美学No.42《ベット・ミドラー movie》

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日々に疲れると、ベット・ミドラーを観たくなる。彼女が演じる役柄に共感し、ホッとし、心に灯をともす。そして、何度観ても感動に涙する。

1979年映画主演デビュー作『ローズ』

ジャニス・ジョプリンをモデルに、酒と麻薬に溺れながらも歌い続けた女性ロックシンガーの愛と激情の人生。ラスト、ドラッグとアルコールでぼろぼろのローズが、野外ステージで最後の力を振り絞って歌い、倒れる。そしてテーマ曲「♫Some say love……」と、くると涙がツー。もう胸一杯。女優としての力量だけではなく、彼女の武器である歌声が、映画を見事に完結させる。

 

1988年『フォーエバー・フレンズ(原題BEACHES)』

子供の頃に出逢い、育った環境や性格も全く違う二人の女性の友情と人生。泣いたり、笑ったり、怒ったり……かけがえのない親友は、人生を豊かにしてくれる。主題歌「愛は翼にのって」も大ヒットし、今でも多くの歌手がカバーしているスタンダードナンバーとなった。

 

 

1990年『ステラ』

酒場で働くステラは、医者のインターンと恋に落ち、妊娠。生きる世界が違うことを知る彼女は、シングルマザーで生きることを選び、化粧品のセールスをしながら娘を育てる。だがステラと暮らす環境では良い仕事に就く未来はない。彼女は心を鬼にして、父親と再婚相手の元に娘を送る。娘の未来、それは自分の人生よりも遥かに大事なもの。ラスト、雨の中をこっそり娘の結婚式を見るステラに涙が止まらない。

 

1991年『フォー・ザ・ボーイズ』

第二次世界大戦などで軍の慰問活動のスターとして活躍したエンターティナーの男女。慰問に行った戦地ベトナムで、兵士たちの前で歌うビートルズのカバー「In My Life」。彼女が歌うと、1曲でどんな人も黙らせてしまう驚異のバラードになる。歌い終わってピースサインをゆっくりかかげると、兵士もそれにならう。このシーンを観たくて、また映画を観る。

 

どの主人公も彼女にしか出来ない共通項がある。お上品に対抗した、蓮っ葉で奔放なフラッパー……そんな役柄を演らせれば、彼女の右に出る者はいない。世間には受け入れられにくい、でも、真実の自分で生きる。そこにプライドを持っている。役柄からなのか、彼女は絶対ハートフルないい人に思えてしかたがなかった。1995年、ニューヨークの緑や自然を守るNPOを設立。2020年8月、コロナウイルスのパンデミックの中、無期限の失業に直面している多くの衣装業界の職人を支援することをTwittterで呼び掛けた。やはり……ベット・ミドラー!!

 

 

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