🎨 美学No.19《フリーダ・カーロ》

By waltzblog 2 comments

芸術家として、Art & Fasionのアイコンとなる魅力は唯一無二。繋がった眉毛、頭に載せた大きな花、アクセサリー、メキシコのキッチュな色の民族衣装……これだけ目を奪う女性芸術家は他にはいない。沢山残っている写真からも、被写体としての自分に自信を持っていたであろうことがうかがえる。人にインパクトを与える容姿は、彼女の武器であった。現在でも、「フリーダ・カーロ」というアイコンは、様々なアイテムに登場する。

1907年生まれ。18歳の時、通学時のバスが路面電車と衝突する。「第三及び第四腰椎の骨折、恥骨の骨折、右脚11カ所の骨折、頸椎と肋骨の骨折、左肘と左肩の脱臼、左腰から生殖器を貫通した鉄棒による下腹部の深い創傷。急性腹膜炎。排膿を伴う膀胱炎。」凄惨だ!!これだけ沢山の痛みに向き合って生きるということは想像を絶する。痛みを紛らわせるために絵を描き始めたことは、「痛みの絵筆」と言われる画家の必然だったのだろうか。

彼女は両性愛者であったが、画家ディエゴ・リベラと結婚する。事故の後遺症から3回の流産を経験。彼と共にアメリカに渡り、ジョージア・オキーフや、イサム・ノグチらと浮き名を流す。有名俳優がフリーダの絵を大量に購入したことを機に、著名人から注文が舞い込むようになった。彼女の成功と共に、夫婦間の熱は冷め離婚。が、翌年、彼女は「性的関係は結ばないこと」を条件にディエゴと再婚。だが、彼女の健康状態は悪化の一途をたどり、入退院を繰り返す。右足の切断手術後は、義足の生活となった。

フリーダは、ジェンダーレスに加え、病気と健康のボーダーラインも飛び越えて生きていたのではないか?胸のコルセットに絵を描き、義足にも刺繍を施し、痛みを自分の好きな物に置き換えることによって、自分自身をもクリエイションする。そうやって、一度は破壊された身体を再生していたのかもしれない。

白いシャツにデニム、頭には花飾りをつけて煙草を吸うフリーダ。大好きな写真で、今もノートにはさんでいる。この写真をデッサンして、シャツにプリントしたこともあった。カッコ良さというのは、ファッションだけでは生まれない。着る人の面構えこそが、最大のカッコ良さなのだ。身体的痛みを抱え、女性画家であり、人にインスピレーションを与えてやまないArt & Fasionのアイコン。まさに、時代を超越した自分らしいスタイルの提言!!彼女の命は、様々な「フリーダ・カーロ」として、今も生き続けている。

 

私の初めての木彫作品はフリーダ・カーロ。立体の彼女を見たくて製作。カミーユ・クローデル美術館のアイコンぬいぐるみを真似て創り、コラボレーション。創造力をかきたてる永遠のアイコン=フリーダ!台座には彼女の作品名を彫ってみた。《Viva la Vida(人生万歳)

 

2 Comments

うさこ

6月 6, 2021, 3:04 pm 返信

『フリーダ・カーロ』、
肖像画から感じる意思のある表情…
恥ずかしながら知らなかったのですが、彼女が18歳とゆう年齢で受けた痛々しい出来事。
健康って健康な時はその有難みを中々分からない…
その他にも沢山の苦労の中で生きた方なんですね。
辛ければ辛い程、人の痛みも分かってしまう。
同じ1人の人間として生まれたのに、神様って何でこんな事するの?
など思わなかったのかな…

オリジナリティ溢れる彼女を今後探してしまいそうですϵ( ‘Θ’ )϶

waltzblog

6月 6, 2021, 8:10 am 返信

痛みがあれば、当然そこに神経がいってしまいます。その中で、それを表現しようと思い立った不屈の魂。人生万歳!と言い切るフリーダに万歳!!